太鼓の音に誘われて、春日城址公園まで足を伸ばしました。コヒガンザクラが今が盛りと咲き誇っています。

地元商工会が出店と利き酒コンテストをしていました。
この頃から雨が降り始め、僕は少しだけ飲み食いして会場を後にしました。
晴れていれば桜の向こうに残雪の南アルプスが望めれる眺望の良い公園なんですが、お天気だけはなんともなりません。

弱い降りですが雨は止みそうも無い。どこかで傘を調達しなければ。
ただ、使い捨てよりは値が張るけれど、使い捨てでない分、長い目で見れば賢い買い物になると、それなりの傘を捜す。
傘は、地元資本の元百貨店であったNザワ屋で購入。
どうやらNザワ屋は伊那の一等地に多くの土地を持っていて、
その昔は羽振り良く商売を展開していたらしい。
Nザワ屋の息のかかった商店街の横に5-6階建ての元百貨店があった。
Nザワ屋本店。階段の各階案内板には地下から5階辺りまで表示があり
最上階は百貨店特有の催事場の案内が。
しかし、実態は1-2階しか営業をしていない。
故障中につき階段としてお使い下さい、と書いてあるエスカレーターも
久しく故障中らしい。一階は紳士・夫人の洋品。
二階は100円ショップで仕入れたような100円ではない品揃え。

翌日になって分かったことは、これはNザワ屋の古い形態であって
今は主として郊外のスーパーマーケットを何店舗も展開し
家業の灯をともし続けている。
一旦、ホテルに戻り、8時過ぎてからの夕食を求め、雨降りの街を探索。
ローメンは羊の肉を使っているとの前知識から、
食べる欲求が一向に湧かなかった。
でも、夕食は食べたいし、どこにでもあるラーメンも情けない。
この際、名物といわれるものを食べようと、誰もいない店の扉を開ける。
どうやら主人は相当前からテレビで巨人戦を見ていたようであった。

しかし、誰もいない店に目をやると、ここは伊那名物として求心的な
名物店舗であることが数多くある著名人のサインなどで分かった。

問題の肉は臭みもなく羊ではなかった。この店だけなのかもしれないが。
ローメンは汁気の多い焼きソバです。
その汁を飲むべきなのか、飲むのは下品な行為なのか、
他に客がいないので盗み見ることもできず店を後にする。
ローメン600円。生中650円という値段設定も妙な気分で、もう一軒寄りたい気分になる。
地方都市はどこでも抱えるJR駅前の活性化策。
伊那市の場合は「いなっせ」というほとんど公共の施設で一階部分に飲食店やNザワ屋直営の本屋が店舗を広げる。
そんな斬新なデザインの小ぶりなビルに行ってみた。
そういえば伊那の町を探索しても、あまり人が歩いていない。雨と割り引いても今日は土曜の晩。
桜祭り会場が少しにぎわう以外に、ほとんど人が歩いていない。
地方都市に来たわりに、人としての地方の風情は全然味わえない。

そんな不満もあるのだが、とりあえず洒落たビルの都会風情な居酒屋に寄ってみた。

週末における地方都市の若者の楽しみは、このビルに集約されているようです。

満員御礼の賑わい。おそらく隣にもある都会風情の飲食店も同じでしょう。
考えてみれば当たり前のこと。地方都市の住民に、過ごし方さえローカル風情を求めるのは都会人の傲慢。
東京や名古屋と比べてもなんの遜色も無い洗練されたスタイルの店は大繁盛でした。
僕は、グラスの赤と牛タン握りを二回注文して、あとは焼き鳥を一本。
隣で繰り広げられる人生模様見聞きしながらmixi日記を打つ土曜の晩の僕でした。


あけて日曜日、雲は残るものの、晴れになりました。
帰りも「すんき蕎麦」を求めて権兵衛トンネルを通過しようと考えもしましたが、
国道153号線をのんびりと名古屋まで。
このドライブがなんとも言えず心地良く、伊那平の美しさに心奪われました。
朝食件昼食は「おんびら→おにひら」と改名した、評判の蕎麦屋へ。
こういう食材で空腹を満たすのは健康的ですね。

家に着いたのは14:00。
早い到着も、心身ノンビリできて心地良い。
少ししてから選挙に行きました。