そろそろ前半の5キロも終わりです。ここまでダム湖畔を右手に望んでいたので、実に爽快でした。
これより先は、高度差はあまりないのですが、森の中を進みます。
途中、ウーマン小屋と命名した批難小屋もあり、中を覗いてみたらノートが何冊か。
静岡大学探検部とか、大学や社会人有志の探検同好会などの記帳が。

まさしく僕らが目指す場所は「探検」に相応しい秘境。


往路9割到達地点。
右手に見えるのが、既に冬期閉鎖になった山小屋。
僕らが進むのは左側を弧を描いて。
奥に建物が見えますが、小さなダム。

その先が、湯俣。


既に硫黄の香りも漂います。
小さなダムを過ぎ、吊り橋を渡ります。
一人が渡り終えるまで、後続は停止です。

吊り橋に複数乗ると、揺れが読めれないので
大変に危険になるからです。

このあと、ロープを頼りに河原へと下ります。
ついに到達しました。湯俣渓谷。
川は、硫黄の成分が濃厚。魚一匹存在しません。

前回は雪解けの増量で渡河もできず無念の撤退をしました。
しかし、1/4-1/3に狭くなった川幅を見て、
今年こそは渡れる確信を一目見て掴む。



あちこちで温泉が湧出。
手を差し伸べれば、アッチッチ。
さらに進むと対岸に天然のオッパイが目に入ります。

国指定天然記念物、噴湯丘。
濃い温泉が湧き出しては堆積し、いつしか2mは超す巨大オッパイに。

鍾乳石とは、反対の努力です。こちらは重力に反発しているので
惜しみない賞賛を与えたいものです。

果たして、どれ位の年月を要したのでしょうか?



秘境、湯俣の噴湯丘。
しかし、この見所は湯俣渓谷の入り口に過ぎない。

これより先は、専門の装備を持った探検隊が行くべき危険地帯。

国の係官も立ち寄れず何の指定も受けていませんが、
「白い滝」があるそうです。

これより先のレポートはほとんど存在しません。
【参考資料】凄い所です。 
●硫黄沢の湯 ●火山性ガスにも負けず・・・ を参照して下さい。

前回の挑戦は、ここまで来て、増水のために渡河を断念。

それは正しい判断で水温が冷たい。
何かのトラフルが発生すれば、たちまちのうちに体温は奪われ、
死を迎えることになるからです。

まずは僕が渡河を試みる。
ズボンを捲くれさほど濡れないとは思い違いで、直ちに引き返す。
そして下はパンツ一枚で、再度の決行。
水温驚くほど冷たい。迅速に動かなければ感覚が麻痺しそう。


渡河一番乗り!!
と、言いたいところでしたが、別の探検隊が良さそうな所で湯に浸かっていました。