山の裏側の、違う湯とは聞きながらも
こうも人を酔わせるとは、、、
泥湯温泉
湯はシルキーな泥の湯。
集落の周りには噴出孔が随所にあり、ソコからココへ移しただけという
なんとも新鮮で贅沢な湯なのですよ。
●左のおじさんは、朝から酔っ払っている旅人。●右、我らの頼もしい青年。
なにが脳天を劈(つんざ)く名湯かと言えば、そのシルキーな湯もさることながら
谷間にひっとり開ける湯の町に飾り気は全くなく、
強烈な印象は、江戸や明治の鉱山の入口にある集落そのもの。
黒い板壁にトタンの屋根。
温泉街は、非日常の歓楽という意味もあり
例えば屋根に破風があしらったり、
そういう木の曲線的加工が見られても、ある種当然な感もありますが
ここ泥湯温泉は、僕が思うに坑道から出てきた労働者の汗を流すような
寝食を供するだけの殺風景さが
なにかその、特別に鉱物の含有量が高い山奥に来てしまったような
秘湯中の秘湯として心に訴えかけるのです。
真っ黒な卵を食べたり、煮込んだ蒟蒻を食べ山を下りるのでした。