2002年4月28日、僕は東京内幸町にある帝国ホテルに宿泊いたしました。
AMEXプラン・モデレート一泊38000円のところ33000円(税・サ別) ホテル好きには「巡礼の地」である帝国ホテル。
一度は泊まるべきだが二回目は如何なものであろう。今回の宿泊を通して思ったことは、「沈む太陽」ということです。
沈む太陽・帝国ホテル
辛らつな評価になるとは自分でも想像だにしていませんでした。
誰もが認める名門・帝国ホテル。
確かに培った歴史から見て群を抜く名門ではある。
しかし、利用者は今を生きる現代人。
時代の波に乗れず巨体をもてあましている姿がここかしこにあった。
まず、驚いたのがチェックインは3時という、遅すぎる時間。それは多くの人も同じ考えで、「ならチェックイン早々に入らなきゃ」と長蛇の列。
3時にフロントについたのに部屋には入れたのが3:20分。異常です。
もちろん従業員の方たちも手際よく仕事をしていましたが、なにせ考え方が古いので目の前でアタフタあたふた。見っとも無いです。
とても日本一のホテルのフロントとは思えない喧騒でした。何デシベルだろう??
ただ、これは従業員が悪いのではなく、考え方が古すぎるのが原因だと思う。
それでも許されると思っているのだろうが、新進の名門ホテルの快適さスマートさと比べれば戦うことも許されないでしょう。
僕が泊まったのはタワー館22階。タワー館希望の旨を伝えたので、まずは希望通りの部屋でした。次回は本館かな。それで僕の巡礼は終わる。
タワー館までの道のりは長かった。エレベーターやエスカレーターの配置も効率のよいものとは思えず、歩く距離は相当のもの。
ただ、帝国ホテルの館内なら、その華やかさもあり、気の持ちようで問題にはならないでしょう。
左から、正面玄関ロビー。つづいて、その全景。その次がVIP玄関??? 一番右がタワー館エントランス。本館は真紅の色彩。重厚で威厳がある。
一方、タワー館は明るい茶系を取りいれた開放感に富む空間。そうそう正面玄関ロビー。ビックリするほどの贅沢感は感じませんでした。
僕が通う名古屋観光ホテルの方がセンスあると思いました。
モデレート・ダブルの一人利用。タワー館22階の南側の部屋。どうだろう、ぱっと見、37平米位かな? 40平米はないはずです。
まず、特徴と致しましては、出窓です。この出窓がもたらすオリジナリティー、贅沢感は相当のものがあります。
同じ一つの部屋でも、何となくサンルームにいるような感覚。これはイイつくりです。備え付けのコーヒー類とかも文句なしの品揃え。
バス用品も種類は豊富でしたが、シャンプー・リンス類がスーパーマイルド。
非日常を楽しむくらいのグレードにあるホテルなのに、あまりに日常的すぎてビックリしました。
ホテルのシャンプー類は、そのホテルがする生活提案みたいなもので、
センス・感覚をよくあらわすアイテムだと思いますが、コレには失格も失格・大失格です。
タオル類は豊富。また、リッツやウェスティン同様、「お休み前のお部屋直し」もあり、ベットとバスルームはもちろんのこと、
一度使ったコーヒーカップまで新しくなっているのには「さすが!」と思ったほどです。
ラジオ関係は貧弱でした。四チャンネルのみの選択。そのかわりテレビは相当な力の入れようで、
BSハイビジョンの全チャンネルが見れたのは初めての経験です。
また、CSや成田空港のフライト・インホメーションなど興味あるチャンネルが見たい放題。
ただ、テレビの音声がバスルームのスピーカーから流れることはありませんでした。
先程の貧弱なラジオのみの連動です。あとテレビは平面ブラウン管で見やすかったことも申し付けておきましょう。
左端、コレが出窓です。聖路加レジデンスが見えます。
バスルームは独立型のシャワーブースも無く平凡なつくりでしたが湯量は豊富で、あっという間にたまります。
いつも時間がかかるな〜と思う名古屋観光ホテルの三倍の湯量でしょうね。
ベッドのマットレスも硬くて上等。デスクは壁にくっついたもの。これも平凡です。
ベットがすっかり白を基調に直されているでしょ。そしてバスローブには帝国のロゴが縫い付けられている。
テレビの画面は成田空港のフライト・インフォメーション。見ているだけでも楽しいのです。
インペリアル・バイキング。朝食は本館17階のインペリアルバイキングでいただきました。
AMEXプランは素泊まりの料金なので2800円部屋付けで払う(税・サ別)
内容としては、貧弱でした。ウェスティン大坂に比べると可愛そうなほど。
もちろん、それなりの品揃えですが、2800円の割には情けない内容。
おまけに、ここが一番大切ですが、コーヒーを持ってきてくれたのですが、
カップに大きなヒビが入っていて、コーヒーがソーサーに漏れ出す始末。
名門・帝国ホテルとしては珍しい経験をしたのかな??
ホテルショップ。帝国ホテルまで名門とくれば、そのロゴをあしらうだけで立派な商品に変身します。
喜ばれるお土産にもなるでしょう。まず、店員の応対が、かなり悪い。
近くに劇場もあって、その帰りにおばさんが大挙して寄るのでしょうが、お客さんの多さに不機嫌な顔をするのは、
まったく接客の大前提が崩壊しています。
忙しくても一流の対応を、常に考え切磋琢磨するのが名門の従業員と思うのですが、最初から諦めているのでしょうかね。
残念でした。あと、帝国ホテルのチョコレートとかクッキーが種類によってはインペリアルバイキングにしか売っていない。
また逆にホテルショップにしかない種類があったりと、あまり部門ごとの連携がとれていないように思いました。
それが、今、正に出来上がったものなら理解も出来ますが、既製品ですし・・・・・
帝国ホテルの本。帝国ホテルの料理人の本。帝国ホテルのサービスを記した本。帝国ホテルの権威ある歴史書。
多くを本にするわりには、帝国より快適なホテルを僕は知っています。
しかし、そのようなホテルは、日本においては歴史も浅い。
だから、一流のサービスだけれど本にするのは遠慮しているのでしょうね。
その姿勢が好きだな。
帝国ホテルを僕は自民党のようなホテルと思いました。
たしかに権威もあり、日本ホテル界の一大勢力だとは思います。
しかし、新しいことにチャレンジする能力には
非常に出遅れた感があります。
守ることに誇りを抱いているのは
各種帝国ホテル関連の書籍にのっています。
それに不快感を抱く人たちは
現在は少数派かもしれないけれど
確実に増えていくでしょうね。
やはり、「地域一番店は胡座をかきすぎ
なる僕の法則は当たりました。残念ですが。
帝国ホテルの熱烈な支持者も
あと15年ほどしたら外出もままならないでしょう。
新しい贅沢を知った若い世代の心を掴むのが急務のように思われます。
政権を目指して頑張っている民主党のようなホテルは幾つかあります。
上昇志向で身動きも軽快。
帝国ホテルのドアマン。アレは一体何者なんでしょうか? 太ったおじ様がいて突っ立っていました。
彼には何か別の任務でもあるのでしょうが、自動ドアの近くに客が来たら
自らが体を動かしてセンサーを反応させてドアを開かせるのが常識とは思いますが
全く応用が利かないというか頭が固いというか、考え方が古いのでしょう。
もう一度チャンスを与えたのに、腰が重たすぎ。
帝国ホテルを沈む太陽と形容した僕。
腐っても鯛とならないように
新鮮で瑞々しく。
でも、あんなドア・マンがいるようじゃ、期待薄です。
やっぱ、沈む太陽なんかな。
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