秘湯と称するところは多々あるけれど
湯俣温泉は原始の湯

そうこうしているうちに、
未だ冬季閉鎖中の山小屋に到着しました。
湯俣温泉までの8キロは、
ここを指すと思われます。  
僕達は、さらに遡ること一キロ弱。
原始の湯を目指します。
この堰と言うか簡易ダムを越えると、
勾配差はほとんどないものの
道は険しさを増します。

周りの空気は時折硫黄臭がし、
川底に目をやると
石にびっしり硫黄成分が付着しています。

往路

復路

分かるかな??川底がなんとなく硫黄ぽっく黄色味がかっていません??
とうとう道もなくなり、僕達は河原を登ることになりました。
しかし、それさえも切り立つ岩に邪魔されて、
一度登山靴を脱いでリュックに縛りつけ
裸足で川を遡上します。
これが雪解け水だから物凄く冷たいの!!

ここはV字渓谷の底だけれど火山性の地溝でもあります
アチラこちらに硫黄を含む熱水が湧き出ています

川の向こうに国指定の天然記念物でもある噴湯丘があります。
成分豊富な湯が湧いてできた丘。
まったく自然が作り出すものは不思議です。

対岸をズームで。
良い温泉が湧いているぞよ。
熱くては入れないか。

まぁ、正直言えば不気味な岩です

湯俣への長い道程の最終目的地は
この対岸に位置する噴湯丘と、周囲の豊富な自噴の温泉

ただ、上の写真でもお分かりいただけるように
雪解けの水は冷たすぎ水量も豊富
渡河は危険と判断し
手前の岸で温泉に浸かりました

この判断は良かったと思っております

旅は無事に帰ってきて始めて意味を成すものです
さて、気を取り直して手前の岸で温泉探しです。
いたるところに硫黄の川が流れていますが、
やはり人が疲れを癒すとなると条件もいろいろと出てきて
なかなか見つからず。

困ったことは、硫黄成分が豊富で、かつ熱湯に近い流れであっても
独特の藻が繁殖しているのです。

NHKの生物の不思議を特集するドキュメンタリーに出てきそうな
過酷な条件でも生き続ける藻。

ここで何度も思い出したのは、深海に生きる植物。
深海の熱水口から湧き出す硫化水素?とかを栄養分として
生き続ける植物の話。  当時は人間の想像の範囲外の植物として
発見した時は大そう世界を驚かしたそうです。
で、ここに生きる不気味な藻も、
その手の植物なのかと思った次第なのです。

名も知らぬ先人が掘った湯船の跡を拝借して一人づつ湯俣の原始温泉を楽しみました。
8キロ+αを歩きとおした体には実にありがたい温泉。
温度もちょうど良く、ジワ〜〜〜と体に温熱療法。
濃度の濃さも、また格別。
●写真は隊長のご勇姿●
野趣溢れる温泉も、それなりに満喫したら、あとはペースも速めて下山の途。
やはり、硫黄以外に不気味藻の青臭い臭いも染み付いていたので
車止めにある温泉に浸かり臭い落しなど致しました。

このあとはウーマン号を飛ばして長野道に入り、まずは下諏訪駅まで走らせました。
ここでカボッチョ君とはサヨナラして、再び岡谷インターへ。

前回の秋山郷の時よりも時間が遅れていたので、正直少し焦りました。
だって明日は仕事だもん。

そこで登場したのは、ウーマン夢の超特急。
岡谷から名古屋都市高速までは120キロ運転でした。
皆様を名古屋駅前に下ろしたのは8:50でした。

TARO先生はじめNヤくん・カボッチョ君にはウーマンから熱い御礼申し上げます。
実に楽しい旅行でした。

●因みに、噴湯丘を登ること5キロ。ここに白い滝が存在するとのこと。
その周辺は火山ガスの濃度も濃く、登山道も全くないところなので僕達には、まだまだ手の届かない存在です。
調査隊のレポートを紹介します
http://staff.aist.go.jp/nakano.shun/Jap/Kumo/history7.html
http://staff.aist.go.jp/mr.sato/c-news/sato1998J.html