マダム博物院特別企画展A
名碗の誉れ

大きさに関する統一表現 
 特大  両手で持ち上げるもの 
 大 両手に大きく収まるもの  
 中  両手に余裕で収まるもの 
 小 片手に収まるもの  
 極小 片手に小さく収まるもの もしくは指で摘まめるもの 


マダム宝
マダム奥高麗茶碗 銘・老友
おいのとも (中) 

マダム焼中葉前期の傑作。
マダム奥高麗茶碗。

高さ 56mm
径 125mm
高台径 40mm
口縁部厚さ 3-3.5mm
重さ 165g

古マダムの風合い色濃い奥高麗の茶碗。
当時としては、最も均整のとれた秀逸の碗であるが、
これがマダム宝に該当したのは、現代に見る野趣に通じる景色と
中葉前期から生き延びてきた考古学的価値である。

 

碗の内側は箆目整形で均整がとれているものの、
外側に移動した粘土は、そのまま表面の凹凸となり景色となっている。
口縁部は3-3.5mm
このあと、究極の薄造り時代に入り、
その反省から現マダムでは口縁部の意図的な強化が図られるものの、
やはり、それらは2mmを下回るものであり、この奥高麗茶碗の風合いは、
もはや再現も難しい「未熟の奇跡」である。
 
 
高台は中心に位置しているものの、それは無骨である。 
 
  赤土に伊羅保釉
高麗茶碗を真似て作ってみたマダム奥高麗茶碗。

現マダムには明瞭にある箆目の痕跡が見受けられないのも
素朴な雰囲気を現している。

この茶碗は、初めてまともな形を成した最初の碗でもある。
粗いながらも芯出しと高台の位置取りも中心に現れており
それが素朴ながら均整をも感じ取れる要因である。

生涯持参すれば
老いた時に点てる茶も、また長き友との語らいに通じるであろうとの思いを込め
ここに老友と銘じた。

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