マダム博物院特別企画展D
名碗の誉れ
大きさに関する統一表現 |
特大 |
両手で持ち上げるもの |
大 |
両手に大きく収まるもの |
中 |
両手に余裕で収まるもの |
小 |
片手に収まるもの |
極小 |
片手に小さく収まるもの もしくは指で摘まめるもの |
マダム宝
マダム天目茶碗 銘・朧月夜おぼろづきよ (大)
高さ 63mm
径 137mm
高台径 51mm
口縁部厚さ 2-2.5mm
重さ 170g
現マダムにおいて二つ目となるマダム宝。
マダム天目茶碗 銘・朧月夜
大ぶりの碗であるが高さは若干抑え気味であり、やや平茶碗に通じる趣きもある。
釉は、春の夜の満月の月明かりがあるものの南風は強く夜空にあって流れる雲が見て取れる春の嵐も近い、そんな宵にあって
雲間から時折射す月光は、漆黒の夜ではない春の独特の生暖かさを覚えさせる景色が内面のなだれに見てとれる。
春の夜の嵐近づく南風。月夜は流れゆく雲によって明るくもあり暗くもなる。
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技術的には軽量化に努め、全体において肉厚なところはなく、大きさに反比例するかのように
釉はたっぷり掛かっているものの重さは170gである。
この碗が、軽いにもかかわらず、独特の重さを覚えるのは、その釉調もさることながら
口縁部のみ肉厚にする現マダムの特性が見事に現れている点も挙げなくてはならない。
最終の段階で、土を抑え込み、つまり高さを犠牲にして下げた土でもって肉厚とする。
これにより、厚さは1-1.5mm強化され、上空から碗を眺めると、それなりの力強さを見るのである。
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この碗はマダム宝でありながら、特に茶道具の一つとして、賞翫に秀でた側面も持ち合わせており、マダム名物としても登録されている。
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