時々のエレガンス

本日の宿は那智勝浦では最大の規模を誇るホテルUら島
この巨大過ぎるホテルを僕は一言でこう称したい
【時々のエレガンス】と

増築に増築を繰り返し、床の高さは何度も上下し照明の照度もまちまち。
時々の美的感覚が共存していて全く統一感のない館内。
昭和50年代のエレガンスもあればバブルの時に造ったであろうエレガンスもある。
本館から派生する触手のような別館の数々。迷路のような複雑さ。
一階フロアには、何色ものビニールタイルが一つの道を作っている。
このビニールタイルの道を進むと、それぞれの別館に行けれるという仕組み。
後から取って造ったであろう、コンテナを改造したカラオケボックスのクーラーの室外機は、
今まさに僕たちのいるホテルの館内に。
アジアの雑多な市場を訪れているような目眩さえ覚える超巨大ホテル。  
食事も南の最果ての地まで来たわりには、鮮度に疑問を覚え
内容そのものも実に心象が深く、語られる旅の思い出となります。
と、酷評してしまいましたが、声を大にして言いたいのは、ここの温泉の素晴らしさ。
南の果てまで来た価値がある良質な天然の掛け流し温泉。
不思議なのは、火山性の地形とは全く縁遠い土地柄なのに硫黄の白濁したお湯。
そして海沿いに特有のナトリウム泉。温まりお肌すべすべ。
忘帰洞とかの洞窟温泉も有名ですが、山頂にある温泉の爽快さは全ての煩悩さえ洗い流してくれるような
心身ともに蘇生できる温泉です。